占星術には「年齢域」と言って、10天体それぞれが発達する年齢エリアがある、という考え方があります。
月 0〜7歳
水星 7〜15歳
金星 15〜25歳
太陽 25〜35歳
火星 35〜45歳
木星 45〜55歳
土星 55〜70歳
天王星 70〜85歳
海王星 85歳〜
冥王星 死後
お誕生日でかっちりと切り替わるのでなく、○○歳頃という目安です。
例えば、月は「感情、生活習慣」を示していますが、その基本がつくられるのが「0〜7歳頃」という意味。
水星の年齢域「7〜15歳」=小中学生時代ですね。
水星は「知性、情報」ですから、この時期にお勉強しないといけない、という意見の占星術師も多いようですが、私は成績や学歴より、情報の受発信スタイルだと思います。
何度か書いていますが、水星は太陽のサーバント。
だから、小中学生の頃まったく勉強ができなかった人でも、太陽が意味する自分の使命に火がつくと、必要な知性やスキルをバリバリ身につけていきます。
逆を言うと、太陽に向かって燃えてから、使う水星が本物ですよ。
そのほか、私なりの観察や研究から教科書通りではない感慨はいくつかありますが、この年齢域は、その人の人生のおおまかな流れを見る場合、とても参考になるものです。
私は、金星が魚座の終わりで、太陽が牡羊座の始めです。
魚座と牡羊座の間には、記憶を失う、深くて暗い断崖絶壁があります。
24歳まで、私は心霊現象が絶えないお化け屋敷に住み、昼も夜もない生活を送っていましたが、ある日、胸の中に突然ひとつの決心が渦巻き、これを終わらせることにしたのです。
それから一週間後、ほとんどの友人に告げずに引っ越して、新しい仕事につき、私の金星期が終わりました。
金星期の思い出は思い出としてあるのですが、リアルでなく夢のようで、地続きでない感じがします。
ところで、占星術は、「As above, so below 下にあるものは上にあるもののごとし」という根本に成り立つのですから、星の世界だけに閉じているはずがありません。
原則であり、共通するものがたくさんあります。
占星術を学ぶ場合、基本パーツの理解が欠かせませんが、これらはダイヤモンドのブリリアントカットのように立体的に、いろいろな側面から味わってみると深まります。
占星術の年齢域をよく理解するには、ルドルフ・シュタイナーの教育論が素晴らしい参考になります。
シュタイナーは、人の物質的な肉体、自我、アストラル体、エーテル体を分けて、それぞれの成長のペースがあると考えました。
月の年齢域にあたる「0〜7歳」は、自我、アストラル体、エーテル体がまだしっかりと別れていず、ぼんわりとしたカバーのようにその子を包んでいます。
まるで胎児が胞衣(えな)に包まれているように、ですね。
個人よりも家系のエネルギーが優勢で、身体面では家系的特徴がどんどん現れ、周囲の世界を反映して生きる時。
この時に重要なのは、人工的な遊びではなく、ファンタジーによって遊びを作り出すよう促すことだとシュタイナーは言っています。
また次の記事に続けます。